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ビジョンに共感してくれる仲間たちと一緒に、 防ぎ得た後悔をなくし、誰もが安心して人生を送れる世の中を実現したい

2023.05.17

ヒーローイメージ

治療から予防の時代へ、新しい医療の扉を開く。株式会社ウェルネスは、専属の医師が利用者一人ひとりの健康計画を立て、パーソナライズされた検査や健康行動を促して予防医療につなげる「パーソナルドクター」のサービスを提供する会社です。2020年12月の正式ローンチ以降、着実な成長を遂げる同社。予防医療を社会に根づかせたいという想いの追求は、代表取締役社長を務める医師・中田航太郎のある気づきから始まりました。

戦略的に病気のリスクを減らすことに

医師としての知識を使うべきだと考えた

▼最初に、中田代表が考える、世の中で実現したいビジョンについて教えてください。

当社は設立以来、「防ぎ得た後悔をなくし、誰もが安心して人生を送れる世界を実現する」をビジョンに掲げています。つまりは、防ぐことができた死を防ぐというもの。あのときこの検査を受けていたら助かったかもしれない、あの症状があったときに病院に行っていれば治りが早かったかもしれない。そういった後悔を世の中からなくすことが目的です。

私が医学部の5年生になったときの病院実習で、不安定狭心症で運ばれてきた患者さんに直面したことがありました。緊急の開胸手術でなんとか命は助かったのですが、あとで聞くと、多くのリスク要因を抱えていたことがわかったんですね。きっとなんらかの異変を感じていたはずなのに、病院に行っていない。受診すべきタイミングを逃して、最後に倒れたところで運ばれてきたわけなんです。

医師としても、もっと早い段階で接することができていれば、薬を飲んで改善することができたかもしれないし、手術でなくカテーテルで治療できた可能性だってあるでしょう。防げたチャンスはあったのに、それを見過ごしたために命を落としたのでは後悔してもしきれない。そう強く感じました。

▼日ごろ、病院やクリニックに行くハードルが高いことも問題でしょうか?

たとえば社会的な責任を背負っている方など、忙しい人ほど時間が取れないという点で、ハードルが高いのはたしかでしょう。また、そもそも今の医療は診療報酬の制度を含めて「治療」を中心に考えられていて、あくまでも「病気になった後に治す」という捉え方なんです。本来は、そうならないように予防してケアすることが医療としての本質であり、そこに医療の知見を使うべきだと思うのです。

たとえば私が救急医や総合診療医として腕を上げたとしても、救える患者さんは限られています。それよりも、病気を防げることに際限なく知識や技術を注力するほうが効果も大きいはず。多くの人が長く健康に生きられるよう、リスク自体を低減していくための選択肢を早いうちから用意してあげることに大きな価値があるわけです。戦略的に病気のリスクを減らすことを目的に医師としての知識を使うべきだと考え、予防医療を事業の軸にしたウェルネスを立ち上げました。

「データをとる」と「ソリューションを提供する」

両者をつなぐポジションにあるのは当社だけ

▼そうした世の中を目指す中での、ウェルネスの立ち位置について教えてください。たとえば事業の強みの点ではいかがでしょうか?

世の中のヘルスケアサービスはふたつに分かれていると私は思っていて、ひとつは人間ドックや遺伝子検査などを行ってデータをとる会社。もうひとつはヘルスケアソリューションを提供している会社です。当社の強みは、両者の真ん中に位置していることです。

現状その両者が分断されていることで、ユーザーのメリットにつながらない状況があります。たとえば人間ドックを受けたとき、病気がないことはチェックできても、それぞれの数値を受けてどう行動すべきかがなかなか分かりません。いっぽう、健康を考えて何かのサプリメントを摂っている方も、自分の体の状態を把握していないから、それが自身に適したものかどうかを判断できない。データとソリューションがつながっていないために、個人に最適化した本当の予防医療が成されていないわけです。

私たちはこの真ん中の位置に立ち、個々の病歴や生活習慣、体の状態のデータを細かく集めた上で解析を医師が行い、疾病リスクの説明や改善のためのアドバイスを行います。データをとる会社とソリューションを提供する会社をつなぐポジションにあるのは、日本ではまだ当社だけです。

▼その立ち位置を、今後どのように発展させていこうと考えていますか?

お客様のパーソナルデータを分析することによって、将来どういう疾病リスクがあるのかが分かるようになり、その人にとっての特定の疾病リスクの高さや、それを防ぐための行動や必要な検査を受けることを個別的に指導できるようになります。

現状で、不特定の人の遺伝子データや健康診断データを数多くもつ会社はあっても、特定の人のパーソナルな健康データを一定の数で持っているところは病院以外にはありません。その点私たちは、あくまで一人ひとりの健康を豊かにすることがゴールなので、お客様との信頼関係を作った上で、その人の役に立つデータをすべてお預かりしているわけです。

今はAIを活用して情報を分析し、個別的なリスクの中身を簡単に把握していくことができるようになったこともあり、当社のデータを病気の発症を防いでいくためのさまざまなソリューションにつなげられると考えています。

▼たとえば予防医療に対する意識を喚起することにもつながるのでしょうか?

それを高めていくことができる将来性も、当社の事業にはあると考えています。ひとつの例でいえば、当社で集めたデータを活用し、疾病予測モデルというものが確立できます。現在の詳細な健康データによって、30年後や50年後の疾病リスクが割り出せるようになるわけで、そうすると健康であることがお金に等しい価値になるんですね。

たとえば家を買いたいと考えてローンを組むとき、仮に健康なデータをもつ人と不健康な人で利息が違ってくるとしたらどうでしょうか? 前者のほうが有利になるとすれば、まさに人の健康が資産価値として認められるようになるわけで、ベネフィットを生むために自分の健康に対して積極的に投資をするようになることが考えられます。健康であることが経済面をも豊かにすることにつながれば、予防医療においても、さまざまな良い流れができてくると思いますね。

メディカルやヘルスケアはあくまでも手段

「人生を豊かにする」ことに共感できるかどうか

▼そうした将来像を実現していくために、どのような人に参画してほしいと考えていますか?

まずは私たちの理念や価値観に共感してくれる方ですね。人生において、本当にその人にとってベストはなんなのか。お客様に寄り添ってそれを考えるのが当社のテーマであり、「人の豊かさを追求する」ことから社名をウェルネスにしています。メディカルやヘルスケアはあくまでも手段であり、人生を豊かにするという価値観に共感できる人が第一です。

また当社のValueにも定めていますが、私たちは“Be ethical”=倫理的に考えることを大事にしています。現在のヘルスケアサービスの世界は売上至上主義の風潮の中で、中身のないサプリメントを広告やマーケティングの力で売っていく会社が少なくありません。そうしたサービスは長いスパンで続くわけがなく、永続的に続く事業やビジネスとして取り組んでいくには倫理性が非常に重要です。“儲かれば良い”といった考えでは当社は絶対に事業を進めませんし、そうした想いを持っていることは人材の面では大前提ですね。

▼そうした人に参画してもらい、どのような組織にしていきたいですか?

自分が担当する領域に対して、プロフェッショナリズムをもつ人の集まりにしたいということでしょうか。“ここを任せてください”という考えをお互いに持っている人が集まる組織は強いと思いますし、その上で物ごとをゼロベースで捉えつつ、新しいことにチャレンジしていける風土をもった組織づくりを大切にしたいと思います。

組織を回していくにはさまざまなルールが必要ですが、一方で多様な価値観を認めることも大事にしていて、社員各々の人生が豊かになるようなワークスタイルを重視することもひとつです。その中で、自由と責任というものをバランス良く考えられる人にぜひ仲間に加わってほしいですね。

▼最後に、今後の目標や計画について教えてください。

まずは現在のお客様である社会的な責任を背負っている方々に対して、パーソナルな予防医療を根づかせることです。そこで得た知見やデータをもとに、パーソナルドクターが伴走し、健康管理に必要なアプリとして充実させ、ゆくゆくは国民の半分以上が使うようなサービスにしていきたいと考えています。その過程で蓄積するリソースを活用することで、より良い社会をつくるためのサービスやビジネスへとさらに発展させていきたいですね。